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札幌介護施設火災7人死亡 法のすきま、悲劇再び(産経新聞)

 真夜中の炎が、身を寄せ合って暮らすお年寄りたちを次々と襲った。13日、7人の命を奪った札幌市の認知症グループホーム「みらい とんでん」の火災。施設は行政から安全対策上の指導を受けていたほか、地域とも交流がないなど、運営上の問題点が浮かび上がってきた。群馬県の老人施設「たまゆら」で10人が焼死した火災から19日で、ちょうど1年。悲劇は繰り返された。

                   ◇

 ◆検査で問題指摘

 とんでんは、平成17年に民家を改装して開業した。延べ床面積は約250平方メートル。施設規模が狭く、消防法などで定める安全体制の網をくぐり抜けてしまっていた。

 とんでんには早期消火に威力を発揮するスプリンクラーがなかった。消防法ではスプリンクラーの設置が義務づけられるのは延べ床面積275平方メートル以上の施設となっている。

 また、火災警報機はあったものの、消防機関への火災の自動通報設備はまだ設置されていなかった。500平方メートル未満の施設は、23年度末までに設置すればよいため、現時点ではとんでんに設置義務はなかった。

 市消防局は21年5月、施設を立ち入り検査している。防火管理者が選定されていない▽避難訓練などに関する消防計画を届け出ていない▽消防用設備について点検報告がない−といった点を指摘した。しかし、強制力がないうえに、ホーム側が改善の姿勢を見せたために、それ以上の措置は取られなかった。

 市消防局では「法的に、直ちに違法というわけではないが…」としつつ、安全に対する意識の欠如が惨事につながった可能性もあるとみている。

 ◆夜間は職員1人

 火災が発生したのは午前2時半ごろ。当時施設にいた職員は1人だった。入居していた高齢者8人(他に1人が外泊)は認知症の症状があり、移動に困難を伴う人もいたようだ。

 厚生労働省では、やはり夜間に発生した火災で7人が死亡した18年1月の長崎県大村市の認知症グループホームの教訓として、同年4月から夜間の職員を1人以上配置することを義務づけている。今回は、規定は守られていたが、職員は消防に通報するのが精いっぱいだった。

 長妻昭厚生労働相は「警察や消防による今後の検証結果を踏まえ、防火、避難態勢に不備が見つかれば国として是正していく」と、今後の検証を示唆した。

 ◆近隣と交流なく

 「火事があって、あの家がグループホームだと初めて知った。力になれたことだってあったかもしれないのに…」。近所の主婦は涙ぐみながら話した。

 主婦によると、とんでんが開所した17年から現在まで、事業主らがあいさつにきたことは一度もなかった。グループホームは地域密着を特徴とした施設であるにもかかわらず、とんでんは地域の中で孤立した存在であったようだ。

 北海道認知症高齢者グループ協議会の加藤和也副会長によると、札幌市内のグループホームの事業所数は13年には26カ所だったが、現時点で約240カ所。「協議会でさえ運営実態がよく分からない事業者も増えてきている」という。

 また、近所の人によると、入居者の家族らしき人たちの施設への訪問はあまりなく、「身寄りがいなかった入居者が多かったのかもしれない」と話す。

 北海道警によると、身寄りがないために居住先を同ホームの住所に移している犠牲者もいたという。

 高齢者が元の居住地と遠く離れた施設に入居し、犠牲になった「たまゆら」の火災同様に、今回の火災も高齢者をとりまく厳しい現実も浮き彫りにした。

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2010-03-19 17:01  nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

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